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春の嵐。
久振りにテレビをつけるとニュースで、そう報じられていた。
運よく一時的に雨の上がった夜の狛江の小径を畳んだ傘を片手に駅に向かう。
風の強い夜、私は電車に乗り、恵比寿へと向かっている。

風の強い日はいつだって、何かが変わる予兆だと、私は信じている。
あの時、あの決意をした時だって風の強い日だったな、と思い出せることが幾つもあるのだ。

そんな電車の中、ヘッドホンをつけてから何を聴こうと考えたが、スペインに居た頃、無性に聴きたくなりダウンロードをしたエレファントカシマシを押してみた。

無我夢中でバルパキートを完成させ、突っ走って来たが、ふと思う。
また大事な事を置いて来てしまったような気がする。
ちょっと休憩しよう。そしてあの手この手で変えて来たバルパキートの営業の中で、私が欲しかったもの、そしてこれだと感じたものを集めてみよう。
そこには理屈ではなく、私が居るはずだ。
そんな風に思ったか思う前か、友人から期間限定でのレストランの仕事を紹介された。
友人が店長を務める期間限定レストランの厨房を仕切って欲しいとの事。
面白そうだと思ったし、バルパキートを休憩するのにもちょうど良かったので、快諾した。

9月末までバリバリと働く。もうその仕事にも入り、その合間にバルパキートの仕事もこなした。また出店が決まっているイベントもあるので、それまでは行ったり来たりだが、ゴールデンウィークを過ぎれば、私はしばらく、この仕事に没頭する。

そして9月末。私はまた旅立とうと思う。どこかは分からない。海外に行くのかもしれないし、バルパキート号で日本を旅するかもしれない。
スペインに行った時のように、家財道具を全て捨ててとか、そういう旅ではないが、一ヶ月ほど、旅が出来たら、と思っている。

私は一体何になるのだろう。
世間体など全く気にしたことはない。一つだけ思うとすれば、私を心配してくれている母親の事を思えば心苦しいが、私は面白おかしく生きて行くしかないようである。
この才能だけは、私は自信があるのだ。

またきっと作っては壊し、作っては壊し、友人からは、出たっ!などと言われながら笑っているのだろう。

そんな風に思う、今日この頃。
ボーダーの蜂須賀に感化された20代。フーテンの寅さんにハマった30代。
影響された時代があったこともすっかり忘れていたが、どうやら、限りなく近い行動をとっているようである。

そんな事をiPhoneで書いていたら、もう二つ目の駅が、恵比寿。
これから、ちょいと夜の帳に紛れてきます。

それではまた。