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東京に戻ってきた。一ヶ月半ぶりの東京。台風の去った名古屋を後にする。
日が暮れる頃、東名高速に乗り、目の前には大きな月が見え始めた。途中、暗闇の中でぼんやりと富士山も見える。山小屋の光が幾つも光って見えた。
数日前、足を痛め、緩和するかと念入りにストレッチをしたら逆効果だったらしく、いよいよ私は、まともに歩けなくなってしまっていた。そんな右足で運転していても、爽快なドライブだった。
岐阜の工場でメンテナンスしてもらった私のワーゲンは、すこぶる調子も良かったし、すこしばかり曇っていた私の胸の内も、流れる景色で洗われるかのようだ。
名古屋滞在は、とても楽しいものだった。10年ぶりに会う友人。25年ぶりに会う友人。同窓会。かつてのバンドメンバー。昔の不良仲間。そして、今回の仕事関係で初めて出会う人達。本当に色んな人達と出会った。
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人生で初めて、名刺というものを作り、そしてまた、その交換をする。頂いた名刺の束を見て、本当にいろんな人に会ったのだな、と改めて思う。そのお陰で、仕事の展望も開けたようだ。次回の名古屋を訪れる時には、スムーズに仕事が出来るだろう。
ただ、今回、実質、店を開いたのは、たったの6日である。その点だけは、残念だった。友人にも、そんなに初めから出来ないし、それでも上手く行った方ではないか、と言われたが、私はもっと初めから上手く行くと思っていたからだ。
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当てにしていた出店先も無くなり、かつて私が露店商をしていた時の社長も、栄の街には見当たらなかった。いつも小さめの赤い上下のジャージに、便所サンダルを引っ掛け、名古屋随一の繁華街、栄の街を練り歩く男、ロニー。栄や大須の骨董市、たまには三重の四日市にまで出店していた、ロニーの息のかかった露店が、どこにも見当たらなかった。考えてみれば、今や、路上で煙草を吸う事も許されなくなったこの街に、露店などある筈もないのだ。時代は変わる。自分の中、最近のテーマでもある『時代』。そんな事を思いながら、路上喫煙禁止地区で、煙草を一本吸った。
そんな思いもあり、私の胸の内は、すこしばかり曇ってしまっていたのだ。足の故障も、深くは、その辺りに起因すると思われた。

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クーラーなど付いていない私のワーゲンには、代わりに小さな三角窓が付いており、それを開けてひっくり返すと、風を運転席に吸い込む仕組みになっている。高速道路から流れる景色。そして三角窓から入り込む夜の風が、私の曇りを攫って行った。そして、5時間もすると、目の前には東京の街がキラキラと輝いてみえた。小さなUFOが、とてつもなく大きな母船に吸い込まれるように帰還する。そんな気分なのだと思う。温かい気持ち。
調子の良くなったワーゲンは、まだ少しガソリンを残して、下北沢に到着した。

いつもの店に、いつもの顔ぶれ。久しぶりな感じもしない。同じ場所にいた人間は、そう思うだろう。でも、私には久しぶりだった。この一ヶ月半は、25年分の思い出を振り返る旅にもなったし、やはり、かつて住んでいた場所に一ヶ月半は、少々長かった。
今回の名古屋訪問。得たものは大きかった。試行錯誤したメニューも、ようやく落ち着きが出てきたようだ。東京での営業、是非楽しみにしていて欲しい。仕込みも、保管も、車での営業では中々難しいピンチョス。しかしながら、私はスペインで決めたのだ。日本でピンチョスを車で売ると。また、初心に帰れた気がする。
色とりどりのピンチョス。それが並ぶ鮮やかなカウンター。私は、それに心踊ったのだ。そして、そんなキッチンカーは、どこを探してもいないだろう。自分がしたい事。自分にしか出来ない事。それが出来なければ、夢というものは、急に現実味を失い、幻のように濁って行くのだ。現実とは、いつからか疲れた大人の諦めにも似た響きに聞こえるようになって久しいが、現実とは、本来、夢にも似た言葉であると確信する。
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追伸:最近、このブログではなく、文章を書き溜めている。それもあってブログが滞ってしまって申し訳ない。もう少し、書きます。