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いよいよ明日。
私は午後2時、マドリッドの空港から日本に帰る。
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この何日かは本当にゆっくり出来た。
サンティアゴ・デ・コンポステーラから電車で5時間半。自転車だと一体何日かかるのだろうか。そんな事を考えながら車窓から、流れる景色を見ていた。しかし、平原が多い。山は殆ど無いようだ。こんな道ならば本当に気楽だったのにな、などとも思いながら。

電車に乗る前には少し焦った。自転車の梱包が規定より大きいと言うのだ。それでは乗せられない、の一点張り。切符はもう買っている。出発まであと5分。
急いだ。バックパックから、いつも旅する時にはお守り代わりに持っているBUCKのナイフを取り出し、段ボールを切り刻んだ。少しなのだ。少し大きいだけ。どうにかして梱包を小さくしようとした。
開けると、後輪はフレームに付いたままだ。半分自転車を引き出して、後輪を外し、段ボールを縮めた。一本タイヤを手に持ち、バックパックを担ぎ、少しだけ縮まった自転車の箱を持ち、これでどうだ、というと仕方なさそうに通してくれた。私が電車に飛び乗ると、すぐに発車した。
荷物が大き過ぎて、席にも座れない。連結部分に油まみれの手のまま座り込んだ。しかし、何とか乗れた。乗れたぞ、と胸を撫で下ろした。
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日が暮れた頃にマドリッドに着いた。もうこの荷物では動きようも無くタクシーを探す。しかしながらタクシーもこれを乗せられない車が多い。単純に嫌がるものもいた。そんな中、俺の車に乗せろと言ってくれた男がいた。ユースホステルの場所は、小さい路地で一方通行。中々行きにくい場所だが、荷物が多いので、目の前までつけてくれた。
木曜日に日本へ帰るんだ、と言うと、木曜日もこのホステルの目の前まで来てやると言ってくれた。
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そんなこんなで今、マドリッドにいる。
Opelaというかなり中心地の駅の近く。色んな所を散歩した。何の荷物も持たずに久しぶりの散歩。
色んなバルやレストランで食事をしたが、その中でも印象に残った所。Botinというレストラン。このレストランは約300年続く、世界最古のレストランだと言われている。ヘミングウェイも常連客だったとか。
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このレストランで、創業当時からのオーブンで焼かれた、豚の丸焼きを食べた。皮がバリバリと硬い程に焼かれた豚。美味しかった。このところ、どこに入っても、量だけは多い食事に、少々胃を痛めている。旅の時には、大して食べずにいたのに、ここ何日かでいきなり普通に食べているので、胃が驚いているのだろう。しかし、ここBotinの料理は優しかった。はじめに出てきたスープも、カマレロの対応も。
そして、私はラッキーだった。私が入って間もなく、満席になってしまったからだ。
歴史。確かに今が大切で、昔どうであったかは問題ではない。特に人というものに関して言えば、そのような部分が多いだろう。だが、この歴史というものには、やはり重みを感じずにはいられない。満足した身体を夜風に当てながら、歴史か・・と呟いてみたりした。

ユースホステルで溜まった洗濯物をしたり、テープを買って、切り刻んだ自転車の段ボールの補修をしたり。もう殆ど帰る準備も済ませた。
ルームメイトは、どこか怪しいネパール人。ずっとこのホステルに住んでいるようだ。そしてとにかくずっと寝ている。
そうそう。せっかくだ、と思って、床屋に入ってみた。変な頭にされるだろうが、これも記念だと。
お任せするよとやって貰った。12ユーロ。安い。しかし、髪を切った後、頭を洗ってもくれなかった。貴方の髪は随分と量が多いのね、でも良い髪だわ、なんて話しながら、終えた髪を見ると見事なまでのテクノカットだった。
切った髪の毛が落ちきっていない頭にそのまま整髪料をつけて、うん!ボニート!と言われても、どうしようもない。笑いのネタでこのまま帰ろうとも思ったが、ユースホステルのトイレの鏡でじっくり見ていたら、段々腹が立ってきて、持っていた電気ひげ剃りで、全部刈ってやった。
そのあとに気付く。せめて写真だけでも撮っておけばよかったと。
またも坊主頭。まあ、身軽でいいのだが、今回は自分でも少し怖い。ひげ剃りで刈ったので、かなり短く、少林寺のようだ。寒いし、ニット帽を被ると、毛糸が短い髪に絡み、ものすごいグリップ力を発揮している。簡単にズレたり脱げたりしないくらいだ。

まあ、何はともあれ、久しぶりの都会生活を楽しんだ。
明日の今頃は、もう飛行機の中だろう。

久しぶりの日本の空気。どんなだろうか。楽しみだ。
マドリッドの最後の夜。
またブラッと散歩でもしてくるか。
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