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着いた。とうとう着いた。
18日間の旅。
前日は少し興奮気味で寝られなかった。

ゴールだ。サンティアゴ・デ・コンポステーラ。随分大きな町。しばらく歩いて大聖堂に辿り着いた。
着いた。着いたんだ。もう何度、こう言っただろうか。

もう、今日着くのは2日程前から分かっていたので、ネットでユースホステルを2日ばかり予約しておいた。今はやっとそこに着き、こうしてブログを書いている。
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事務所で認定書をもらう時、思わず涙が出そうになった。イルンからだと言うと良く来たわね!と優しい女性が笑うからだ。何だか、私が凄く感動し、涙ぐんでいるのに気付いたのか、その女性まで涙ぐんでいた気がする。
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事務所を出ると、一人の男が。一人で自転車で来たのかい?この巡礼の中で私以外に自転車で来た人を初めて見たよ、と写真を撮られた。記念に2人でも撮ろうと一枚。彼はこれからバルセロナに帰るのだそうだ。
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大聖堂の前の広場には、まだ時間が早いからか、人が少ない。しかし、誰も見てなくても良い。少し歌った。エサでもくれると思ったのか、それとも音につられて来たのか。歌いだすと鳩が沢山寄ってきた。なんだか嬉しくなった。

早速だが、私は、やる事を全部済ませないとどこか落ち着かないところがある。やってしまおうと動いた。
まず、自転車屋を探し、飛行機に乗せる為に梱包してもらう。荷物、荷台、全てを外した自転車は、驚く程に軽かった。久しぶりに跨がる、何も積んでいない自転車。軽過ぎてふらついた。もう重い事に随分慣れてしまっていたようだ。
そして、駅を探し、マドリッドまでの切符を買い、ネットでマドリッドのユースホステルを4日分予約した。航空券はエミレーツで予約している。16日にマドリッドから日本に戻る予定だ。

全てを終え、シャワーを浴びた。いつもの癖で、自分のパックタオルで身体を拭いてしまう。真っ新なバスタオルが用意されているのに、後に気付いた。あ、ここホテルなんだ、と。

全部、荷物をほどき、シャワーを浴び、髭を剃り、髪を整え、襟付きのシャツを着て、町に出た。こうなると、すっかり観光気分だ。私が今までしてきた事は、観光と言えるものではない。まずは職探し、そして修行、生活。そして巡礼。
何だか、やる事を終えて、私は初めて観光客になれた。そんな気がする。そして、やはり荷が少ない、というのは良いものだ。自転車で移動する為、重さの比重も考え、いろんなバッグに色々と詰め込んでいた。どこに何が入っているか、把握するのにも時間がかかる程だった。私は、バックパック一つが、やはり好きだ。
要らないものを、またいくつか処分し、私はバックパック一つになる。まあ、梱包した自転車は、どうしようもないが。

毎日、荷を解き、毎朝、荷造りに時間をかけ、忘れ物はないかと、何度も確認をする。そんな生活ともしばらくおさらばだ。バックパック一つならば、そんな事もない。全部一つに突っ込めばいいのだから。正直、このバッグが幾つもあると言う生活は、少し苦だった。
今度、旅をするときは、その辺りも考慮し、私にぴったりの旅を、じっくりと考えたい。

全部、終えてシャワーを浴び、なんだかやっと、この旅の実感が湧いてきて、そして現実感を噛み締められた。身体、心、周りの景色、辛さ、思考、その全ての存在が大き過ぎて、ようやく一つにまとまってきた。そんな感じだ。

そして、私はこうも思う。この旅は、決められた道を行くものなのだ。黄色い矢印に沿って。私は、今まで、こんなに素直に人が決めた道を、進んだ事があっただろうか。そして、その道を進んだら、賞状まで貰えた。これは、所謂、卒業、というものに近いのではないだろうか。
まともに高校も出ていない私にとって、これは紛れもなく貴重な体験だった。きっと、私の人生、最後の決められた道。40歳にして、私はまた卒業をしたのだ。そんな気がしている。
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クレデンシャルという巡礼手帳ももう宝だ。これを見ると、押してくれた人の顔、町の風景、そのすべてが蘇る。
予定よりも随分と時間がかかり、そして次の旅は、繰り越しになったが、私はこれで良かったと、心底思う。こんな旅の後、しばらく余韻に浸っていたい。
レストランの修行も、もう一度、余韻に浸りたい。

しかしながら、怒濤の一年だった。厳密には一年にも満たないのだが、私には数年くらいに思えるくらいだ。だから、私は数年ぶりに日本に帰る。それくらいの心持ちだ。
何かの緊張から解き放たれたのか、もうそんな有り難い巡礼証明書と三脚を使い、悪ふざけをする私。これを一人でやっているのだから、もうどうしようもない男である。
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お見苦しい画像、申し訳ない。チョコレートたくさん食べて、ようやく体重戻ってきました。
これも、私です。
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あらためて、みんな、明けましておめでとう!みんなの、それぞれの幸せに!