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オンダリビアにて最後の日を迎えた。
いろいろ書きたい事はあるが、まずはこのレストランの事を書いておかなくてはならない。

最終日の前日。ALAMEDAのフルコースをご馳走になった。
今までずっと厨房で試食をしていた筈なのに、きちんとテーブルにつき、こうして食事をする事は全く別物なのだと、甚く感動した。裏方の仕事を知っていても、全く違うのだ。大袈裟ではなく魔法のようだ。
そして純粋に、もの凄く美味しかった。

まずは、カボチャのアペリティボ。
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そして、生牡蠣と海藻のクレマ。これは私のいるテーブルの仕事。上にはリンゴの泡を盛りつけている。
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フォアグラ。マスタードのソースを塗った皿に、レンズ豆の煮込み。その上に盛りつけられたフォアグラ。私はさほどフォアグラは好んで食べないが、このプラトが一番気に入った。
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そして、帆立とモロと呼ばれる、牛の鼻の煮込み。ボロ葱のクレマをかけて食べる。モロの味が帆立より少々強いが、赤ワインと呑んでいる私にはちょうど良かった。時折感じる粗い塩の食感もとてもいい感じだ。これも私のいるテーブルの仕事。
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BUTAKAKUというイベリコ豚のあごの脂を低温調理したもの。日本の豚の角煮とは随分違うが、これがまた良い。横に盛られたパンを付けると、また違って面白い。これも私のいるテーブルの仕事。
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スズキのソテー。
単純に焼いただけではない。出汁の効いたスープ、魚のゼラチンとオイルを乳化させたピルピルと呼ばれるものを敷いた上に盛りつけられている。上には海藻のエスプーマ。ここに来て食べた魚の中でも群を抜いて美味かった。
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鹿のグリル。ほどよく火の入った赤身。私はレアの赤身が大好きなのだ。文句無しで美味い。付け合わせの洋梨のコンポートも良く合った。
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そしてカボチャを使ったポストレ。同じ部屋に住むロドリゴの仕事。彼の作るポストレは綺麗だ。
サービスでさらにチョコラテのポストレも出てきた。
途中、厨房から仲間達が覗き込んで、笑っている。皆は働いているのに、私は昼間からワイングラスを傾ける。贅沢なひと時だ。

大満足のフルコース。
そしてまた、裏も表もすべて知らなければ、本当の事は分からないのだと、深く考えさせられた。
普段働いているレストラン。しかし、一度コメドールと呼ばれる客席に入ると、忽ち、きちんと客になれるのだ。これは凄い事だと思う。
そして、私は作っている人がどんな人達なのかを知っているのだ。彼らの仕事を、厨房にいる時とは違う角度で垣間みた気もする。
とても良い経験をした。Restaurante ALAMEDA。改めて、素晴らしいレストランだと思った。そしてこんな素晴らしいレストランで働けて本当に良かったと、この最後の食事を終えて、心地よい溜め息が漏れた。

またいつか、私はこのレストランに食事をしにくるだろう。