IMG_3933

気持ちのいい日。しかしこの頃、急に随分寒くなった。朝などは、もう吐く息が白い。10時頃まで明るかった太陽も、8時半頃に沈んでいく。この1ヶ月ほどで目紛しい変化だ。

服を大して持っていない私は、この頃の手頃な防寒着を持ち合わせていない。Tシャツとアンダーウェア、そしてダウンにゴアテックスという、何とも山仕様のものばかり。そうだ、柔らかいフリースを買おう、と思った。もうPatagoniaのフリースしかない、とネットで調べてみた。私は、Patagoniaの製品を幾つか持っているが、とても機能性に優れ、気に入っているのだ。アンダーウェアは特に良い気がする。
調べると、サンセバスティアンに直営店が一軒、隣町イルンにPatagoniaを扱っている店がある様子。すぐに翌日、イルンに自転車で行ってみた。
ところがどうやら、道を間違ったようだ。いつまで経ってもそんな店はない。しかし、途中からそんな事はどうでも良くなり、勝手気ままに走ってみた。何だか素敵な小高い丘を発見し、気持ちのいい空気を吸いながら、ついでにニコチンも吸っておいた。

向かっていた店の名前はLoreak Mendianというお店。なんでもバスクのブランドらしい。調べると、日本でも取り扱いがあるようだ。また、翌日やっとたどり着いたその店で、関係ない服を、思わず衝動買いをしてしまう所だった。残念ながらPatagoniaの製品は置いていなかったので、何も買わずに帰ったが、何だか素敵な所を見つけて嬉しかった。
IMG_3940

今日は、昼間の仕事を終えてから、天気予報に反して凄くいい天気だったので、ベッドを洗い立てのシーツに取り替え、毛布などはテラスに干し、部屋の掃除をした。よし、と言わんばかりにシャワーを早々と浴び、リズムよく晩飯の支度。唐揚げとスープ、米も炊きたてを茶碗一杯平らげた。
もう、素晴らしい爽快感。

そういえば、ここ数日、一滴の酒も呑んでいない事に気付いた。
毎日、浴びるように呑んでいたのになー、とテラスでシミジミしてみたりした。

今日はピソには、誰もいない。私一人。たまにはこんなのも良い。ヘッドフォンを付けずに音楽を聴きながらこれを書いている。
800px-1970_VW_Camper

今週もいろんな事を想像してみた。
私が日本に戻ったら、こんな車を買おう。VWのType2のキャンパーだ。ベッドもテーブルも付いている。いや、なんなら何にも付いていなくても良い。自分で作るのも楽しいだろう。
まず、私はこんな移動式の部屋に住む事にしよう。これはあれこれ考えたが、決定だ。車が窮屈に思ったら、川の近くなんかに移動して、テントを張ろう。バスの後ろには、ここバスクで買った自転車を積み、車を止めっぱなしにして、出かけても良い。
今は、また数十万かけて、いつまた出て行くか分からない貸部屋を借りる気になれない。


夢。いつの時代も語られる、この言葉。
なんだか、いろんな事が言われているが、私の持論はこうだ。

夢を見たその瞬間から、もう始まっているのだ。もう夢中なのだ。ある意味、もう夢は叶っていると言っていい。
夢のためになら頑張れる、とか、時間のいたずら、とか、なんだか私にはピンとこない。
初めからないものには、この先にもない。楽しい、の先にしか、楽しい、はない。
要は、それは果たして本当に夢なのか、それとも何かを思い通りにしたい、野望、というものなのか。その判断は考えてみると、意外にも簡単に分かる。

夢は、無邪気だ。他人が聞いたら笑ってしまうものも多いだろう。
なにも、他人が褒めてくれそうな夢を見なくてもいい。

本物の夢を見よう。
かつての私は、時折拗ねていた。夢でなく、野望を抱いていたのだ。
夢の中にいる人間は、拗ねない。
他人と同じ夢ではないからだ。

本当に驚く程、平穏な気持ちで暮らしているのは、ここの町のおかげなのだろうか。それとも旅を通じて、いろんな事がスッキリしてきているからなのだろうか。


明日は、自転車と一緒に電車に乗り、サンセバスティアンに行こうと思っている。自転車を電車に乗せるのは初めての事。なんだかワクワクする。そして、Patagoniaでフリースを買うのだ。
なんだかんだ言っても、買い物は楽しい。買い立てのフリースを羽織って、海岸沿いに座り、ボーッと出来たら幸せだ。